2016年11月6日日曜日

【展示作品について】
今回ノルウェーに行ってみようと決意したきっかけは、東川町にスポーツ国際交流員としてやってきたトリグバ・マルクセットの存在が大きいですが、それまで3~4シーズン旭岳クロスカントリースキーコースで圧雪車のオペレーターをやらせてもらった経験があったからだと思います。仲良くしてもらっている元全日本のチームの監督から「ノルウェーでの大会は是非一度見たほうがいい」と前々から伺っていたので、ずっと行きたいとは思っていました。その気持ちを後押ししてくれたのが、愛称Mr.Tことトリグバだったというわけです。彼とたったワンシーズンでしたが、旭岳などでスキー撮影に付き合ってもらって、心の底から雪や山と全身全霊で遊ぶ姿に感動し、彼を育てたノルウェーという国はどんな国なんだろうととても興味が湧き、心を持って行かれてしまったのです。
 聖地と言われるホルメンコーレンもすごかったのですが、最初に行った地方都市ドランメンでのスプリントのW杯はとても印象的でした。なんとコースが街のメインストリートで行われ、ゴールがその奥の教会前。この大会をここで行われる時は、さすがにこの土地の住民からも反対の声があったようなのですが、今はこれをとても誇りに思っているに違いないと感じるほどの盛り上がりでした。
首都オスロでも、街中を走るトラムに、ラフな格好でクロカンの板を片手にいつものように乗り込む青年も見かけ、この国のノルディックスキー文化というものが、どれだけ根付いているのかというのを感じました。
ホルメンコーレンからオスロに帰る時は、クロカンコースから1時間ほどかけて歩いて帰ったのですが、トリグバの案内がなければ、とてもではありませんがたどり着けないほど、まるで迷路のような蜘蛛の巣状のコースでした。郊外へ何十キロと繋がっているコースはそのほとんどが国で整備されているとのことで、まさにノルディックスキーはノルウェー人にとって単なるスポーツではないものでした。
■many destination
首都オスロ市郊外に蜘蛛の巣のように広がるクロスカントリースキーコース。選手でも迷ってしまうこともあるようだ。Holmenkollen, Norway

■子どもたちの憧れ
ノルウェーの子供たちにとって、クロスカントリースキー選手は憧れ。それを街のメインストリートで観戦できるのは、なんて贅沢なんだろう。Drammen, Norway
■ふらっと滑りに
板を片手に、都会からトラムに乗り郊外へ。この国の文化を垣間見た瞬間。Oslo, Norway
■歓声
聖地ホルメンコーレンでのW杯は、スキーフェスティバルと呼ばれ、ノルウェー国中が盛り上がるビックイベント。自国の選手への歓声はすさまじい。Holmenkollen, Norway

■ワールドカップを街中で
街のメインストリートがスタートで、ゴールが教会前という、スプリント(短距離)レース。Drammen, Norway
■大塚友記憲(おおつか ゆきのり)
1979年千葉県野田市生まれ。
 父が元々写真好きで、私や妹たち(4人兄妹)のアルバムを作っていたが、10歳離れた一番下の妹のはあまりなかったのでいつの間にか私が撮って作っていたのがカメラを握り始めたきっかけ。高校時代には、サッカー同好会の広報係として新聞を作るため、父のNikonのマニュアルカメラを借りてハマる。
 20歳から北海道の旭岳温泉のユースホステルで働き始め、大雪山の魅力に取り憑かれる。エゾモモンガとの出会いから本格的に写真を撮るようになり、以後風景や植物も被写体の対象に。
 現在、写真文化首都・北海道上川郡東川町在住。http://yukinori.net/about.html